どんな気持ちで相手と向き合うかが実は一番大事
”自分をわかってもらえない””自分をうまく伝えることができない”と思う人ほど、鼻から”どうせわかってもらえないだろう””どうせ伝わらないだろう”という潜在意識を抱えていることがほとんどです。
そしてその潜在意識が相手に伝わるために、期待通り、言いたいことが伝わらない現実が作り上げられます。
そこでこのブログでは、
①”どうせ伝わらない”という気持ちがあるとなぜ本当に伝わらなくなってしまうのか
②向き合いたい相手とうまく気持ちを通わせられる自分づくりの方法
の2点をまとめていきます。
①”どうせ伝わらない”という気持ちがあるとなぜ本当に伝わらなくなってしまうのか
すごくシンプルな話なのですが、あなた自身、誰かと話していて、「なんだか心地よいな」と感じる人と「心地悪いな」と感じる人にそれぞれ出会ったことはありませんか?
もうこれが全てと言っても過言ではないのですが、この心地よさと心地悪さの違いが、相手の持っている”不信感”の違いなのです。
”どうせ伝わらない”という気持ちは、”誰かが自分を理解してくれることに対する希望を失った状態”と言えます。
そしてこの状態は、今まで出会った人との関係の中で、理解される安心感や心地よさより、理解されなかった悲しみや苦しみの方が脳に焼き付いているために引き起こされます。
そしてある一定の悲しみや苦しみを超えると、脳はその悲しみや苦しみから自分を守ために希望を失わせます。
”いつか理解されるだろう”という希望さえ持たなければ、人は理解されるための行動をを取ることはなくなり、そうすれば、理解されることを願って関わったのにその願いが叶わなかった時の悲しみや苦しみを感じることはなくなります。
最初から”どうせ伝わらない”と自分に思い込ませれば、本当に伝わらなくても悲しくならないということです。
しかしこの自己防衛の働き自体が、ますます人に理解されない状況を作り出します。
理由は、”どうせ伝わらない”と思っているから”伝えようとする努力や姿勢”は見えず、その姿をみた周囲は、”そっちがそうするならこっちも頑張らないよ”と思ってしまうからです。
人間関係、特に、円滑な意思疎通とともに構築される信頼関係においては、関わる人一人一人の、高い自己開示力や相手への理解力が求められます。
つまり一人一人に、自分を見せる努力、相手の本当の姿を受け止める努力が求められるということです。
しかし残念ながら”どうせ伝わらない”と考えている状態の人は、伝える努力を放棄していることがほとんどです。
例えば家事でも仕事でもそうですが、家庭内や同じチームの人が、寝てるかサボるかゲームばかりしているのに、自分だけが家事をしたり仕事をこなしたりしていると、バカバカしくなってそんなやつと同じ家族やチームでいることに嫌気がさすのは人間の自然な心理だと思います。
コミュニケーションも例外ではなく、自分だけが努力していると感じる時、人は、その相手との関係をたつか、その相手と同程度の努力のレベルに自分を落とすかのいずれかの方法を最終的には取ります。
これはつまり、”どうせ伝わらない”という気持ちを抱えた人の周りから人がいなくなるか、同じくらいに”どうせ伝わらない”と思ってしまった人しかいないかのどちらかの状況にになるということです。
そして”どうせ伝わらない”と思っている人は、”やっぱり伝わらないんだ”と思いこみを強め、どんどんと”伝わる世界”から離れた世界へと、自分で自分を押し下げる現実が生まれます。
”どうせ伝わらない”という、”伝わることへの信頼の欠如”が引き起こす悲劇というわけです。
また、”伝わることへの信頼”が欠如する時、その人は、ありのままの自分への信頼も同時に失うことになります。
その人にとって何かを伝えようとする時には、その人の中にその人自身の感情や考えというものが必ずあります。
伝えたいことが伝わらないということは、その感情や考えが否定されたと認識してしまうことがあるのです。
”自分の感情や考えがおかしいから伝わらないのかも”と考えてしまうと、どんどんと自分のありのままの感情や考えを他人に伝えるのが怖くなり、自分の気持ちや考えを自分の中に秘めたまま何が本当におかしくて何が実は素敵なのか答えが合わせができないため、常に自分に対してモヤモヤとした気持ちを抱え続けることになります。
そうやって自分への信頼も失っていくと、相手が誰であろうが伝えることができない状態へと変化してしまい、伝わる人を見つけることさえできない状態になってしまいます
※生物学的な観点で説明するのが一番シンプルだし好きなのですが、書いていて自分で不明な点が出てきたので、この記事での言及はやめました。
けれどもすごく面白くて、心の弱さの拠り所としてのスピリチュアルではなく、人間の目では認識できない領域で起こっていることを知る、物理や化学の一部として理解ができると、人間関係の仕組みや規則があまりにも単純であることに驚くと思います。
興味のある人はぜひ、化学の基礎と感情の正体を勉強してみてください。
自分の不明点がはっきりした時に、私もこのサイト内で記事にまとめようと思います。
②向き合いたい相手とうまく気持ちを通わせられる自分づくりの方法
”どうせ伝わらない”と、伝わることや自分への信頼感が失われつつある時、人は人間関係自体を諦めたくなるかもしれません。
けれども解決策はあるので安心してください。
しかも自分1人で無料できる解決策です。
必要なものは、どんなに醜く弱い自分でも、望まない現実でも、ありのままを受け止め見つめる勇気と時間です。
解決策は、”どうせ伝わらない”と思い込んでしまう経緯と気持ちの要素分解で導き出せます。
まず経緯は、①とも重複しますが、伝えたいと思って伝えてみたのに伝わらなくて悲しかったり苦しかったりした経験の連続です。
この時人はいくつかのネガティブな気持ちを味わいます。
「伝わらなくて悲しかった」
「伝わると信じていたのに(相手への失望)」
「わかって欲しかった」
「信じて欲しかった」
などです。
これが気持ちの要素分解にあたる部分なのですが、”どうせ伝わらない”と思っている時の人の心の中には、上にあげた”信じて欲しかった””伝わらなくて悲しかった”と言った、ネガティブな感情をため込んでいます。
それらの溜め込んだネガティブな感情を一括りにしているから、これ以上ネガティブな感情を抱えなくていいように”どうせ伝わらない”という判断を導き出しています。
ということは、です。
この過程の反対をすれば、”どうせ伝わらない”と判断してしまう前の自分に近い状態、”伝わること”に対して希望を持っている状態に戻れるということです。
それも、”こういう人間には話しても意味がない”とか”こういう言い方をすると伝わらない”といった学習という手土産を持って、です。
さらに良いことに、伝わらないと感じる時は、受け取り手の受け取り力の問題と伝え手の的確さの問題の二つが考えられますが、この後者である伝え手の的確さの精度をあげる訓練にもなります。
自分で自分の気持ちを的確に把握しようと、自分のモヤモヤにちょうどいい言葉を探そうと、一生懸命になるからです。
人が抱えるモヤモヤは、言葉にすれば”モヤモヤ”という一言でも、気持ちにするとたくさんの種類のモヤモヤがあることは、誰しも自分の感覚で知っていることと思います。
そのモヤモヤAやモヤモヤBに的確に言葉を当てはめてあげられるかが、自分を理解することと伝える力に直結するのですが、一度ぴったりの言葉を見つけたモヤモヤNについては、それ以降考えることなくすぐに言葉にすることができます。
そうしてたくさんの言葉をストックしていくと、どんどんと伝えたいことが伝えられるようになり、またまだ言葉を見つけられていない人の言葉探しのお手伝いをしてあげることさえできるようになっていきます。
これってつまり、意思疎通がうまくいっている状態ですよね??
自分の気持ちを的確に理解しようとしただけなのに、結果的に他人との意思疎通もうまくいってしまうんです。
上手に伝えたい、人と伝え合いたいと思っている人の多くは、相手を理解しようと必死なことが多いです。
けど解決策は、自分を知ることにあります。
皮肉なものですよね。
何をいうかよりどんなスタンスか
自分を知ろうと努力を始めると、実は自分は自分を全然知らないことにまず気付かされると思います。
そうして、自分が理解できていることなどはかない思い込みに過ぎないことに気付かされ、自分を知ろうと探究を始めることになると思います。
実はコミュニケーションにおいて、このスタンスが一番重要です。
自分をわかった気になっている人は、他人のこともわかった気になっています。
それ以上の対話をしません。
そういう姿勢が、”この人はわかろうとしてくれない”という印象を相手に与え、人が離れたり意思疎通でトラブルが起こる原因を生みます。
今の自分に理解できていることは、全く十分ではないかもしれない、自分の知らないこと、わかっていないことがまだまだあるだろうという意識が、もう少し知りたいという気持ちをうみ、知りたいから話してみたいという行動を引き起こします。
純粋な知りたいという気持ちから引き起こされる話すという行動には、気持ちの面での不純物がないために、真っ直ぐに相手に伝わります。
すると相手も安心して真っ直ぐに、その対話に答えることができます。
この気持ち的に不純物のない、ピュアな感情を持てる状態に自分を整えておくこと、これこそがコミュニケーションにおいて最も重要なことです。
ピュアな気持ちは何にも勝ることができません。
その強さを経験するきっかけに、この記事がなれたら嬉しいです。
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