自分の気持ちがよくわからない
「自分の気持ちを相手に伝えようにも、自分ですらよくわからない」
この記事ではそんなあなたに向けて、気持ちに気づき言葉にする力をあげる方法をまとめていきます。
目次
- 自分の気持ちがわからない理由は、気持ちを言葉にする経験が少ない 元々の性格なのでは?→訓練すれば誰でも気持ちに気づくことはできます
- まずは自分の心の変化に耳を傾けよう 心の動きに連動する体の変化をみつめる
- 心地よい変化と、不快な変化を区別してみよう 今の変化は安心できるもの?それとも不安や恐怖を感じるもの?
- 心身が軽くなる言葉を探そう 自分の気持ちにぴったりの言葉が見つかると、スッと心身が軽くなる
- 見つけた言葉を人に伝えてみよう 自分の状態を伝えて、相手との信頼感をアップさせる
1.自分の気持ちがわからない理由は、気持ちを言葉にする経験が少ないから
元々の性格なのでは?→訓練すれば誰でも気持ちに気づくことはできます
さて、そもそも「自分の気持ちに気づき言葉にするって、元々の性格なんじゃないの」と思っている方のために、訓練でいくらでもできるようになる理由を説明します。
まず、気持ちを言葉にするということを具体的なステップで整理すると、
①自分の心の変化に気づく
②自分の心の変化を区別する
③自分の心の変化に言葉を当てはめる
の3ステップとなります。
ですので結論になってしまいますが、自分を観察する力と違いを理解する力、そして語彙力を高めれば、自分の気持ちを言葉にすることは実は誰にでも可能です。
ではなぜこれらの能力に差が出るかというと、一番大きな影響は育った環境、幼少期一緒に過ごした大人の力の差だと言われています。
人間は生まれた時、身近な大人を模倣して生き方を学びます。
それはつまり、身近な大人(多くは両親)の“自分を観察する力”と“語彙力”を模倣することを意味し、さらにいうと、身近な大人がどれだけ“自分を観察することができ、言葉で表現できていたか”によって、あなたのこの2つの能力は決まるということを意味します。
ちなみにここまでいうと、例えば“自分は無口だけどお母さんはよく話す人だったから”という理由で、自分は該当しないと思う人がいますが、それは少し違っていて、確かに“よく話すかどうか”は性格ですが、“的確に気持ちを観察し言葉にできているかどうか”はまた別の問題です。
よく話すけど、気持ちの変化への理解や言語化は的確ではないという場合がありますので、ご注意ください。
話を戻しまして、身近な大人から“自分を観察する力”と“語彙力”を学ぶということから何が言いたいかというと、人が何かを学習する時、その学習レベルを教育者に依存しているときには、“教育者の知識レベルの範囲内での学習となる”ということです。
“教育者に依存しているとき“とあえて限定したのは、他に、自分で情報をとりにいって学習するという方法があるからです。
しかし、自分の気持ちを理解し言葉にする力の基本は、幼少期に学習します。 幼少期は、自分の意志で行動できる範囲を周囲の大人によって制限されます。 周囲の大人の制限を超えて自分で学習範囲を広げることはほぼ無理に等しいため、結果、教育者に依存した状態が長く続きます。
その教育者に依存した状態、つまり、教育者の“自分を観察する力”“違いを理解する力”“語彙力”からしか学べない状態が当たり前の時間がとても長くなるので、多くの人が、気持ちに気づけるかどうかは性格の問題と思い込んでしまうのです。
けれども実際には、これは単なるスキルですので、大人になり、“自分で答えを探せる範囲”が広がった状態、教育者に依存しなくて良くなった状態では、あなたの意志次第でいくらでもその力を伸ばすことができるのです。
②まずは自分の心の変化に耳を傾けよう
心の動きに連動する体の変化をみつめる
前置きが長くなってしまいましたが、具体的に自分の気持ちを言葉にする方法に入ります。
自分の気持ちを言葉にする以上、まずは自分の気持ちに気づく必要があります。
こればかりは正直“意識する”時間を少しずつ重ねて訓練するしかないです。
気持ちが変化すると体も変化するので、体の変化、例えば「肩が重い」とか「ふわっと浮いたような感覚」に気づくことから始めるといいと思います。
ちなみに中には、気持ちを感じること自体に嫌悪感や見下したような感情を抱く人がいます。
理由は、気持ちを感じていたら日々の営みに支障が出ると思っているからです。
確かに、現代は社会の仕組みが出来上がってしまっているので、自分の気持ちよりも、その仕組みに合わせて動“かなければいけない”と思わせられる環境です。
ですので大人になればなるほど、気持ちが動いても見て見ぬ振りをして社会の仕組みとその流れに自分を合わせようとしがちです。
しかし一歩引いて冷静に考えていただきたいのですが、今の社会の仕組みが絶対正しいなんて保証はどこにあるのでしょうか。
もしも誤っている場所があるならば、それは人間によって人間のために(いつかの大統領みたいですが)変化させる必要がありますし、おそらく自ずと変化していくでしょう。
だから、“ただ流れに乗ること”を盲目的に信じるのではなく、“流れを活用しながら自分で見極め考える”ことが不可欠です。
“流れに乗るために自分を押しころすこと“は果たして人として正なのでしょうか。
もっというなら“流れに乗るために自分を押しころし”続ける“こと”は果たして人として正なのでしょうか。
今一度よく考えていただきたいテーマです。
③心地よい変化と、不快な変化を区別してみよう
今の変化は安心できるもの?それとも不安や恐怖を感じるもの?
気持ちの変化、連動して体の変化をなんとなく感じるようになったら、以下の4つの種類にそれぞれの気持ちを分類してみてください。
1.前向きな気持ち
感覚:心身ともに軽い/穏やかな気持ち/このままで大丈夫という安心感/受け入れられている安心感
2.前向きにしんどい
感覚:体が重いんだけど、動き”たい”/しんどいんだけど、乗り越えたら自分の望む未来に近づけそうなイメージが持てる
3.後ろ向きな気持ち
感覚:体が重く悲しい/自分に自信がなくなる/不安/焦り/過剰な高揚感
4.後ろ向きにしんどい
感覚:体が重いんだけど、動“かねば”/お先真っ暗で未来がイメージできない
1.2に当てはまる感情が湧く出来事や人は、あなたがお付き合いし続けた方がいい人・こと、
3.4に当てはまる感情が湧く出来事や人は、あなたがお付き合いしない方がいい人・ことです。
最初は特に、1と3の区別はしやすいと思いますが、2と4の区別が難しいと思います。
何度か経験を重ねることで違いが明確になってきますから、トライアンドエラーで、分類をやり続けてみてください。
④心身が軽くなる言葉を探そう
自分の気持ちにぴったりの言葉が見つかると、スッと心身が軽くなる
気持ちの種類がある程度分類できるようになったら、いざ言葉を当てはめていきます。
「言葉を当てはめるまでしなくてもいいんじゃ」と思われるかもしれませんが、実はこの工程は心の健康にとってもとても重要なんです。
この言葉を当てはめるという行為は、心を図書館、1つ1つの気持ちを1冊の本としたときに、本にタイトルをつけ、ふさわしい本棚に本を並べしまう行為に当たります。
つまり“心の整理整頓”をしていることになり、この整理整頓ができないときに、 “自分がわからない“という状況が生まれ人間関係でも悩むことになります。
心理学的には“ラベリング”と言われる脳の機能なのですが、ふわっとした概念に言葉、つまりタイトルを与えてあげることでラベリングし、自分の脳内の概念スキームを形成することで、次から起こる出来事への処理能力も高めていくことができます。
いわゆる“学習”というやつで、いうならば心と脳をつなげる行為とも言えるかもしれません。
言葉にまでできないと、気持ちを“理解する”レベルには到達することができず、理解ができないと、気持ちとうまくお付き合いすることもできなければ、相手に伝えることもできません。
なのでこの言葉にする行為は、すごく重要な意味を持ちます。
言葉探しはどこで行っても大丈夫です。
例えば、表現力が豊かな人に今自分が伝えられる全てを言葉でなんとか伝えて当てはまりそうな言葉を投げてもらうとか、小説を読んで言葉を探すとか、映画やドラマをみるとか、最近であればSNSを使ってみんなはどんな気持ちか知ることで言葉を拾うこともできます。
どの言葉が自分の気持ちのラベルとしてふさわしいかを見極める方法は、自分の感覚で判断できます。
・心が軽くなった/腹落ちする感覚がある/思わず「そうそう!」と言ってしまった
→その言葉があなたの気持ちです
・なんだかしっくりこない/モヤモヤが残る/無理やりそうだと思い込ませようとする自分がいる
→その言葉はあなたの気持ちを表していません。他の言葉を探してください。
最初は地道な作業だし大変だと思いますが、あなただけの図書館があなたの脳内に形成されていくと、それはもう会話が楽しく、知らない人と話す度に貯蔵する本が増えたり既存の本の改訂版が出来上がったりするので、楽しくて仕方がない状態になります!
慣れるまではしんどいと思いますが、ぜひ自分だけの図書館が出来上がるのを楽しみに、やって見てください。
※ちなみにこの工程の3と4はどちらが先でも大丈夫です。当てはまる言葉から気持ちの種類を理解することもあるし、種類から言葉を理解することもあります。
ただし言葉から入る場合は、“あなたが持っている言葉へのイメージ”で、あなたの気持ちとリンクさせます。
なので、“あなたが持っている言葉へのイメージ”が、実際の言葉が表す意味と異なっている場合、相手によっては伝わらないことがあったり、公の場で「あら?」となってしまう可能性があることを注意してください。
例)
忖度する:他人の心情を推し量ること、また、推し量って相手に配慮すること
→本来の言葉にマイナスの意味はなく、前向きな思いやりを表現する言葉です
あなたのイメージ/忖度:人にごまをすって配慮するイメージ
→ちょっとマイナスのイメージを含んでいる
あなた/「上司に忖度してあげたけど、、、」
→あなたにとってはしっくりきていても、言葉の本来の意味を知っている人からすると「?」となったり「ちょっと違うな」と思われちゃう
こういったいわゆる教養の基礎となる部分は、日常のあなたがふとした時に出てくるので、できることなら言葉の意味を調べながら、丁寧に言葉を当てはめていくことをお勧めしています。
⑤見つけた言葉を人に伝えてみよう
自分の状態を伝えて、相手との信頼感をアップさせる
今まであまり自分の状態を人に話したことがない人ほどやっていただきたいのですが、
これまでの工程で気づいた自分の気持ちを、ぜひ人に伝えるということをやってみてください。
例えば「この間おれ、ものすごくつかれててさ。今の仕事に疑問を感じてるって気づいたんだよね。今更転職もどう思われるか不安だし、悩むなあ。」とか「私気づいちゃったの。あの人のことが好きだって。けど怖くて言えないし、悶々として眠れないの。」とか、素直な気持ちならなんでもOKです。
気持ちを言われた側は、あなたが心を開いてくれた=信頼してくれたと感じるので、あなたに対する好意が増えることがほとんどです。
(中にはそれで嫌悪感を示す人もいます。そういう人はまだ素で人とお付き合いしたことがなく信頼関係の形成は難しい可能性が高い人なので、その人の反応は気にせず、分かり合える人を探せば大丈夫です。)
あなたに対する好意や信頼感が増えると、お相手もあなたに素直な心を見せてくれるので、次第に一体感が生まれます。
人間関係に一体感が生まれると、、、、人と繋がっている安心感が芽生えます。
人とつながっている安心感が生まれると、心に余裕ができ人間関係に自信が持てます。
自信が持てると、自分に合う人を堂々と選べる(厳密には、合わない人と無理して付き合わない選択ができる)ようになります。
お付き合いする人はあなたと相性の良い人ですし、そこから親友や生涯のパートナーを見つけることもできると思います。
元々オープンな状態で形成された人間関係なので、不要な駆け引きなくパートナーとも一体感のある関係を構築できることと思います。
人生の幸福度はどんどん右肩上がりに上がっていきます。
、、、
自分の素直な気持ちを言葉にするって、正直良いことしかないと思うんですよね🥺
逆に、ここまで社会の中で人間関係の揉め事が増えたりしなくなると思うんです。
自分の素直な気持ちに気づき言葉にできる人が増え幸せが広がっていくことを、心から願っています。
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